10月2日、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)にて、ADRRN東京イノベーションハブ(ATIH)が一部講師として参加する秋学期の連携授業が始まりました。主に3年生を対象とした授業で、初回はATIH事務局長の小美野がネパールにおける防災のイノベーション事例について講義をしました。
授業名は「環境リスク科学」で、学生が具体的な事例を通してアジアの開発途上国の現状を理解し、事例について議論することで社会課題に対する分析力と解決策を考える思考力を培います。ATIHは連携パートナーとしてADRRNのメンバーNGOが取り組む防災・人道分野の課題を提供します。今回は(1)アジアにおける災害と人道支援の現状説明(2)ネパールの地震被害と現地NGOによる市民への防災トレーニングの事例を紹介しました。事例紹介では、「現地市民とのコミュニケーションの必要性」や、「現地にある技術と専門家の視点を融合することによるイノベーティブな解決策の考え方」を説明しました。
学生は皆真剣な眼差しで授業に取り組んでおり、講義の後半には「開発途上国の防災教育における最重要点」や「日本と比較した開発途上国での災害復興の課題」などの質問に加え、「ATIHの活動内容に関して」など様々な質問がありました。
授業では担当教授でATIHのアドバイザーでもあるラジブ・ショウ教授によるマレーシアの仮設住宅の事例に関する講義もあり、災害発生後の対応に関して考慮すべき点などの説明がありました。
ATIHは本授業を通して未来の開発途上国における課題解決の人材育成に貢献していくと同時に、本授業で扱うイノベーション案件について、SFCと共同して学生からのフィードバックを取り入れた教材を制作する予定です。