12月12日、タイのバンコクでアジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)の年次総会に合わせてRegional Innovation Forum Asia(RIF Asia)が開催され、メンバーNGOと、関係団体含めて約90名が出席しました。
このイベントでは、各NGOやパートナーシップ団体による1年間の活動報告やワークショップ、専門家を招致してプレゼンテーションが行われました。イベントテーマとして、アジアで増え続ける水文気象災害※が取り上げられました。
※水文気象災害とは:洪水、干ばつ、台風など
午前中、ADRRN東京イノベーションハブ(ATIH)とパートナーのHumanitarian Innovation Fundからイノベーション事例として進行中のプロジェクトが報告されました。現在、ネパールにおける建物の遠隔耐震検査を実現するプロジェクトや、難民の就職マッチングを支援するウェブプラットフォームのアジア展開推進プロジェクトなどが進められています。続いて、再生可能エネルギーNGO、社会起業家、研究機関などからプレゼンテーションがありました。
午後は、洪水、干ばつ、台風、紛争のグループに分かれて、プレゼンテーションの知見を踏まえて現在の支援をどう飛躍させるかディスカッションをしました。メンバーは普段、自身の国でそれぞれ災害支援活動に取り組んでいるため、このように一堂に会して意見交換する機会はとても貴重です。最終的に、台風の影響を頻繁に受ける地域で保険を広げるためのアイデアや、干ばつの兆候を早期に察知し被害を最小限にする方法、紛争下にあるコミュニティの持続的な支援方法など、様々なアイデアが出てきました。
アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)はアジア最大の災害NGOネットワークで、東はニュージーランドから西はイギリスまで災害支援を行う20カ国56団体が所属しています。所属団体の多くはLocal NGOと呼ばれる現地で草の根の活動を行うNGOです。私達ADRRN東京イノベーションハブ(ATIH)は、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)の新機能として今年の3月に立ち上がり、Local NGOのイノベーション文化醸成を進めています。具体的な活動内容として、現地でワークショップを通した課題抽出や、参考事例共有、外部組織と繋いで事業形成を行なっています。
ADRRN東京イノベーションハブ(ATIH)では、一年間、このようなワークショップをインドネシア、ネパール、インド、マレーシアといったアジア各国で行なってきました。このようなワークショップで抽出された問題を解決するべく、企業や大学機関等と連携して事業に発展させる活動につなげていきます。
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